ニューヨークの不動産投資家でホテル経営も広く手がけていた、レオナ・ヘルムズリーは8月20日に87才で亡くなった。彼女の遺産総額は40億ドル($1=115円で4,600億円)で、ほとんどが彼女と亡くなった夫の名前をつけた慈善トラストに入れられるが、そのうちの1,200万ドル(同じく13.8億円)が、愛犬のために残されている。
直接残された遺贈額は次の通りである。
兄(アルビン):500万ドル 孫(デイビッド):500万ドル 孫(ウオルター):500万ドル 運転手(ニコラス):10万ドル
さらに、毎年のお金を生むように、兄のアルビンには1000万ドル、デイビッドとウオルターにはそれぞれ500万ドルをトラストに残している。もしもこの受益人が亡くなると、残っているお金はヘルムズリー慈善トラストに組み入れられる。
孫がお金を受けるには条件がついており、肉体的・精神的に不可能な場合を除いて、既になくなっている彼らの父親(レオナの息子)のお墓参りを年に1回以上することが条件である。しかも、お墓参りは命日が望ましいとされている。一度でも正当な理由なくこれを欠かすとトラストのお金はもらえなくなってしまう。
レオナは愛犬のトラブルを兄アルビンに託した。さらに、1,200万ドルをレオナ・ヘルムズリー・2005年7月トラストに残した。これはトラブルの世話をするための“ペットトラスト”である。このトラストの詳細は公的記録に残されていない。
また、孫の二人(クレイグとミーガン)を相続から除外してしまっている。ヘルムズリーという名前を自分たちの子どもにつけなかったからだと言われる。
アメリカにはネコが59百万匹、犬が53百万匹飼われていると言うデータがある。所帯数が約60百万とすると、1世帯に犬一匹とネコ一匹がいると言う勘定になる。実際、こうしたペットは単に犬とかネコである以上に、家族の一員と言うことになる。
ペットを飼っている人にとり、自分が体の自由が利かなくなったり、自分のほうが先に亡くなると、ペットの世話をどうするかという問題が起きる。約2割くらいの人が自分の遺言の中にペットをどうするか記載しているという。しかしながら、直接ペットを相続者にして財産を残すことは基本的には認められていない。ペットは誰かの持ち物であっても財産権を主張できない。
ペットのためにトラストを作り、ペットを直接的な受益者にすることも同様だと思うが、州により判断が広く分かれている。ペットに財産を残す方法はこれしかなかった。いつの間にか人間よりペットのほうが心の支えになっていたということだろうか。