今回,アメリカに出張した目的は,検認裁判所での裁判を受けるためである。いろいろな事がありすぎたが、何を見ても聞いても印象深い経験であった。2004年に裁判が始まり、5年かかってやっと第1審の判断がなされた。幸いにも、良い結果であったので、5年間いろいろあったけれども、まずは良かったよかったと胸をなでおろしている。
場所は、フロリダ州マイアミである。成田からの直行便がないので、まずはジョージア州のアトランタまで12時間かけて行く。ジャクソン・ハーツフィールド空港で入国審査を受けてから、国内線に乗り換える。アトランタからさらに2時間でマイアミに着いた。なにせ飛行機にはよく乗った。
フロリダ州の人口の6割が外国生まれというせいか知らないが、とにかくスペイン語が、いたるところで、ものすごく話されている。英語を話している人でも、スペイン語をバリバリに話す。英語は後から習得したのだろうが、日本人の自分の目からは、母国語と何ら変わらないくらい英語を話せることは何ともうらやましい。言葉だけを聴いていると、アメリカではないと思えるぐらいだ。
ホテルからはレンタカーのプリウスに乗って15分か20分くらいで裁判所に到着する。裁判所はマイアミ・デード郡にある。なかなか立派な建物だ。気候は日本の夏に近い。最高気温が32度、最低気温が22度と言うようなところだ。湿気もかなりあるけれど、日本のようにべとべとするほどは湿気がなかったので助かった。
この裁判所の法廷がどうしてこんなに気温を下げるのかと驚くほどエアコンが効いている。余りに寒いので、シャツを着た上に、長袖のシャツを着てジャケットを着るがそれでもなお寒い。日本ならば法廷内にいる人の様子を見て気温を設定するだろう。しかし、この法廷内では判事に合わせて温度設定をしているように思える。判事は黒い法服、どこか幼稚園の制服のような感じでもあるが、法服を着ているので判事に合わせた気温にしているように思えた。
何しろ、判事殿は権威である。自由平等のアメリカとは言え、法廷内では判事殿が社長とすれば、我々は平社員の位の感じを受けた。裁くときには、それだけ距離感を持たせている事が、法の重さを感じさせる。この判事殿が女性で、私には30才台半ばではないかと思わせる美人だった。この方がまさに、私が法律だと言わんばかりのオーラを発し、年配の弁護士も一目も、二目も置いていた。
何しろオーケストラの指揮者のように、すべて彼女が取り仕切り、彼女に従わざるを得ないと思わせる雰囲気をかもし出す。その中で午前午後とかなり濃厚な審理が行われても、連続5日間を要した。それでも、すぐに結論を出してくれるので、これはありがたいことでもあった。
いくつか殊に印象深かったことをこの先に紹介したい。

