贈与を構成する一つの要件は、贈与の対象が贈与を受ける人に届けられることである。贈与を受ける人に直接、もしくはその代理人に届けられることがある。直接受贈者に届けられればわかりやすい。間接的に、法的な代理人が受け取った場合は、その贈与物が本人の手元に実際に渡った時に完結する。
おじいさんが孫に自動車をあげるケースでは、自動車を届けなくても、自動車の鍵をあげることで自動車を贈与したことになる。シンボリックなもので構わないわけだ。相手にあげる場合は、贈与者が財産の支配権を放棄することになる。その車をあげましょうと言う人が、しかしながら、自分の好きなときにその自動車をいつでも使えるというのでは、支配権を完全に放棄したことにはならない。
おじいさんと孫が同じ家に住んでいて、自動車がそのままガレージにあっても贈与となりえる。ガレージから自動車がなくなる必要はない。受け取る人が、国外にいて直接それを受け取れない場合、その人に変わり、受け取る人に配達がなされる場合がある。受け取る人が、贈与した人に雇われていたなら、それは受け取ったものとみなされない。受贈者のために受け取らねばならない。
小切手をあげることが多くあるのだが、いつ贈与が行われたかと言うことが問題になることがある。つまり、受贈者に対して小切手を書いて渡しても、そのタイミングで小切手をあげる人の口座から現金が引きおろされているわけではない。小切手を渡してから、受贈者が実は、小切手をもらうにふさわしくない行動をしていたことが露見する。贈与をしようという人は、場合によっては支払いをストップできてしまう。
IRSの伝統的な考え方は、実際に銀行の口座から現金が引き下ろされるまでは贈与は発生しないと言うものである。しかし、現在ではIRSはもっと弾力的に考える。小切手が現金化されなくても、贈与者の手を離れて、贈与者がその事実をコントロールできなければ贈与が成立したと考えられる。
おじいさんはクリスマスプレゼントとして孫1と孫2に$1,000の小切手をあげたとする。孫1は喜んで2009年内に小切手を銀行に持ち込み現金化する。孫2は年末年始はスキー場に出かけ、来年1月4日からの週に小切手を持ち込む。孫1の場合2009年に贈与が成立する。孫2の場合は2010年の贈与ということになる。