若い人でも難渋する国際的な税務で、高齢者が毎年の所得税の申告をするとなると、その難しさは何倍にもなる。何とかこうしたお年寄りの力になりたいと思うも、とてもきれいごとでは済まない。データをもらって申告書だけ作るというのではなくなることがあるからだ。
でも、IRSはそれ故に申告をしなくても良いとは言わない。いくつになっても申告するべきは申告をしなければならないのがアメリカの仕組みだ。自分が死んだ後でさえ、自分の申告書に責任を持たねばならない。
高齢化したり、自分が思うようにいかなくなるのは、誰でもそうなる。自分が思うようにいかないということを、客観的に認識することもできなくなることがある。自分が行為能力を失うということを前提に、そうした事態に保険をかけておくことだ。
そんなことは、言われなくてもわかると言うだろう。でもそれを行動に移している人がどれだけいるだろうか。遺言と言えばそれはもうちょっと・・ということになるかも知れない。いきなり遺言は敷居が高ければ、遺産の目録やどう処分してもらいたいのかとか書き記したらどうだろう。
現状がわからないと、周りの人も何が何だかわからない。いよいよの時は、このノートを見てほしいと現状を書き残す。職場で仕事のマニュアルを次の人に残すように、銀行口座であれば、どこの銀行で、残高がいくらあり、住所や電話、いつどんな書類が来るかとかわかるようにしておく。不動産なら、購入時の書類や、不動産を管理してもらっている会社の連絡先とか整理しておく。
ちゃんとしておくなら、やはり公正証書遺言などを作っておく。アメリカの財産があれば、その分については財産の存在する州で、英語の遺言を作っておきたい。日本の遺言がアメリカの裁判所で認められるかどうかわからない。少なくとも、英語の遺言書が優先する。
残される家族や自分に対する責任を果たすことでもある。毎年、自分の誕生日や年末にそうしたものを見直したらどうだろう。もちろん、毎年何もなく、そのまま過ぎるならそれは良いことだ。Xデーを設定し、逆算で今何をするのかと考えるヒントにもなる。