アメリカでは夫婦共有の銀行口座を持つことができる。もともと、夫婦というのはお互いの人格が融合して一つの人格を形成するがごとく、密接不可分な経済主体であるという考え方がある。それ故に、夫婦共有の銀行口座では、夫のものとか妻のものとか境目がなく二人一緒に財産を所有することになる。この口座の元本に対して利息が生ずる。果実が生じるわけだ。この利息は誰のものだろうか。
これも分けるわけにはいかず二人のものということになる。さて、税金の申告を行う場合、こうした所有者の境目がはっきりしない所得をいったいどう処理をするか。アメリカでは夫婦合算申告があるために、この疑問をあまり考えることなく処理できる。
しかし、夫婦がそれぞれ別々に申告する場合はどうなるのだろう。こうなるとどうしても、誰の預金で誰の利息なのか合理的に分けられないといけなくなる。
すると、預金であれば、もともとこのお金は誰が手にしたお金を預金したのかということになる。片方の配偶者が働いて得たものなら、それはその人のものと言えるかもしれない。でも、二人とも働いて得たお金ならば、それぞれの人が得た所得に応じて預金したと考えてもよいだろう。でも、たくさん稼いだ人が、その稼いだ分に匹敵するくらいの医療費を使ったら、預金に回るお金はない。
こうしたことを考えても仕方がない。IRSにしてみれば夫でも妻でもどちらでも良いのでしっかり税金を払ってくれれば良い。境目を気にすることはないわけだ。
ところが、夫婦が財産を分けなければならない時がある。離婚に面した時に、妻は専業主婦で夫が働いて得たお金だから、これはすべて夫のものだと言い切れるだろうか。妻がしっかり家を守ったからこそ夫は精一杯働くことができた。ならば、婚姻期間中に得られた財産は仲良く二人で分けるのが自然だろう。
となれば、夫婦共有名義の預金は半分ずつ分けて、その果実も同じように半分ずつというべきだろう。現実には、預金口座を開設する時にフォームW-9を提出し、この名義の上段に書いた人が通常、税金について責任を持っている。