アメリカの遺言書を見るにつけ、財産を誰にどのように分け与えるのかということばかりに目が行く。もちろん、第三者である自分にとっては、その結果、税金がどのようになるかを見ている。アメリカの遺言書を見ていると、それこそちょっとした電話帳ぐらいあるのではないかという分量のものがある。トラストを作ったりしているからである。
なるほどと思えることや新しい発見があってそれぞれ勉強になる。そうした中で、自分に対する医療をどうするのか、医療処置決定の代理人を決めておくことが入っている。とても大事だと思う。
医療に関して自分の代理人を決めておく。その人に、自分の考えを伝えておく。自分にもしものことがあり、自分できちんと意思表示ができなくなった場合に、その代理人が自分に代わり、自分の意思を実現してくれる。
その代理人には、次のような権限が与えられる。
医療機関や医療を与える人を選択したり断ったりすること
医療処置に対する拒否権または承諾権を与えること
医療記録にアクセスする権利を与えること
延命治療を撤回するか、差し控える権利を与えること
献体や臓器などあげること等
遺言は突き詰めると、自分の財産を誰にどのようにあげるかの指図を行う。消極的ならば、何もしない。すると、法律が自分に代わって財産を分けてくれる。ほとんど財産といえるものがないならば、どう財産を分けるなど無関係だという人もいるだろう。
万が一、認知症等になり自分が自分でなくなってしまうかもしれない。自分として最後はどう生きたいのか、どう自分の尊厳を守るのか、家族に迷惑をかけないのか、人の役に立ちたいとか等々決めておく。
考えてみると、自分がどんな医療を受けるのか、自分の最後はどうあってほしいのかということは、全員が避けて通ることができない。財産ならないですむかも知れないが、自分がいよいよということは、すべての人が通過する。ならば、これは遺言以上に大切ではないかと思う次第である。