税法というのはおもしろい。通常、法律は国家主権のもとで、日本ならば日本の法律を適用することが原則だ。それでは、日本の法律が及ぶ範囲はどこまでなのだろうか。例えば、アメリカで自動車を運転していてスピード違反をしたとする。この場合、アメリカの法律により、国籍には関係なく法律を犯したために、日本人はアメリカの罰則を受ける。
アメリカで発生したことに対して日本の法律を適用して、日本の罰則を課すとしたらどういうことになるのだろうか。アメリカの法律と、日本の法律で二重に裁かれるのは余りにも過酷だし、もしも、日本法が適用できる場合、アメリカと日本のどちらの法律が優先するのだろう。
アメリカで起きたことに対し、日本の法律を適用して裁くことは、アメリカにしてみれば国家主権の侵害をされることになり、決して認めるわけに行かない。こうしたことは、きわめて常識的に考えられるもので、日本においては日本の法律で裁かれ、アメリカにおいてはアメリカの法律により裁かれる。
でも、そうでないとしたらどうだろうか。アメリカの法律が適用され、日本の法律も国境を越えてアメリカで起きたことに適用される。そんなことがあるかと思うのだが、それに該当するのが税法だ。
例えば、アメリカ人が日本で働いた場合、その給料に日本の所得税がかかる。しかしながら、アメリカの税法は、アメリカの市民である場合、その日本の給与に対してアメリカの税金をかけてしまう。アメリカの基本はアメリカ人である限り、全世界の所得に課税される(属人主義)。日本は属人主義こそ取らないものの、属地主義であり、アメリカで発生した所得に課税するわけだから、課税権は容易に国境を越える。
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