個人の税務において現金主義と発生主義はどちらでも使うことができる。ほとんどの場合は、現金主義と思えるが発生主義の方が良いと思えば発生主義でもよい。発生主義の場合、発生時点で所得を押さえることができるが現金主義の場合は、いつその現金を認識するのかが問題になることがある。
実際に現金を手にしたかどうかとは無関係に、自分が手にすることができるようになった時に所得が受領されたものとする。例えば小切手が12月に発行され、それを1月に銀行口座に入れたなら、その金額を12月に受領したと見なされる。
Davis v. Commissionerの例が興味深い。このケースでは、会社が合併したことに伴い、働いていた人が退職金をもらい解雇されることになった。会社は年末に、退職金の小切手が翌年の初めに郵送されるとその人に通知した。それ以上細かいことは連絡せず、会社は12月30日に書留で退職金の小切手を郵送した。その書留は翌31日にその人の自宅に届けられた。しかし本人は不在であった。そこで書留の配達人はその書留を持ち帰るにあたり、その日の3時以降いつでも受け取れると言う通知を置いて帰った。
肝心の本人はその日の5時ごろ自宅に戻ってきた。しかしその不在通知を手にした時には、郵便局は既にもう閉まっていた。そこで、その手紙を新年2日にとりに出かけた。実際は翌年になって手紙を手にしているので、その人はお金を前年の所得に入れずに、受け取った年の申告に入れた。
ところがIRSはこれが適正な処理ではなく、前年の所得の中にこの分を入れなければならないと主張した。これにより裁判になった。
結果としては、IRSの方が負けている。即ち、裁判所はその人が小切手を手にできるかどうか、それに限界があったかを問題にした。確かにその人は郵便が配達された時に、受け取ることができれば、そのお金のみなし受領をできた。実際には外出していたので受け取ることができなかった。この場合、その人が意図的に受け取ることができなくなるようにするために外出したのではなかった。不在通知を手にしているわけでもなかったので、書留を手にすることができないと断じている。
万事やむ終えない場合はそれで通るのだろうが、意識して小切手を受け取らないように、避けようとした場合には、それは所得の中に入れられなければならない。
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