リーマンブラザースの元会長リチャード・ファルド氏が2004年にフロリダに求めた家の値段が1375万ドル(当時の為替で約15億円)を$100で手放したと言う。売却した先は奥様だった。15億円の家を9000円で買えるのだったら、誰でも手を上げたくなるのではないだろうか。いかにも目的が透けて見える。同氏は2000年から7年間で4億8000万ドル(約430億円)もの報酬を得たと言う。株主代表訴訟でリーマンブラザース破綻の責任を追及されて、金を返せと言うことにもなりかねない。
彼にしてみれば、何とか財産の保全を図りたい。お金を返せといわれた時に、自分は破産しており現金はないし、お金に換えるものも持ってはいないというのだろう。でもその財産が自分の懐から奥様の懐に移っただけで、言い逃れできるとはどうしても思えない。それだけ、追い詰められているのであろうか。いかにも安っぽい理由付けに思える。
フロリダの破産法は、配偶者に対しての保護が手厚いが、彼自身はニューヨークで仕事をしており、フロリダ州の居住者ではない。そこで、フロリダ州居住者としての取り扱いはされないと見られる。
しかし、夫婦間売買だから$100で良いのだろうか。金額の合理性がある、ないということだけで売買と言う行為が成立するのかしないのかはわからない。
そもそも金額の合理性というのも考え始めるとわからなくなる。市場にゆだねて値段を決めるのが普通だろうが、売るほうから見ればいくらでも高く、買うほうから見ればいくらでも安い方が合理的と考えるかもしれない。この場合は15億円が、現状では20%なのか30%なのかもっと値段が落ちているのかもしれないが、いずれにしても9000円はないだろう。
金額の妥当性はともかくも、税金は経済的な利得に対して課税する。実際の評価額を著しく下回る値段で売買をすることになると、その差額が贈与と認定される。
しかし、アメリカ市民同士の夫婦間贈与は無制限に税金がかからない。いずれにしても、税金がどうこうと言うことではないだろう。自分の財産を吐き出さなければいけなくなった時に、自分には財産がありませんと言いたいのだろうが、これはどう見ても一発のレッドカードだろう。
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