所得税は一つの所得に対してその源泉地国と納税者が住んでいる国の両方で課税がおきてしまうことがある。アメリカはアメリカ、日本は日本で課税をすることになるからだ。日本もアメリカも基本的には相手国を考えて税法を作っているわけではない。すると、二カ国の税金が一つの所得にかかるならば、怖くて国際的な経済活動ができなくなくなってしまう。国際的な経済活動、投資活動を阻害することになってしまう。ならば、何とかして国際的にこの二重課税を回避しようということになる。
国際的な二重課税を回避するためには、発生した税額から外国で払った税額を引いてあげましょうという措置を取る。さらに回避策としては、アメリカではそもそも外国源泉の所得は自分たちの国の所得からはずしてあげると言うこともとられる。これらは、言ってみれば自国の国内法による規定なので、一国の中の処理になる。
これでも二重課税の回避は必ずしも十分にできるとは限らないので、国際的な租税条約を結ぶことになる。日本とアメリカの間には日米租税条約がある。これにより、日本とアメリカの課税権の及ぶところやその限界、二重課税をどのように回避するかを取り決めている。この日米租税条約を解説する書籍もたくさん出ているので詳細はそれらを読んでいただければよい。
しかし、初めて申告書を手にとる方などが、こうした分野に関する書籍を読むと言うのも容易ではない。そうした書籍に手を伸ばすのは、十分に時間のある時でなければむずかしい。とにかく外国税額控除のForm 1116の解説書を丹念に読むしかないかと思う。市販の申告ソフトもここになると、今ひとつ大丈夫かなあと思う。
注意をしなければいけないポイントはいくつもある。この外国税額控除は国税レベルの調整だ。必ずしも州税においては、そんなのは関係ありませんというスタンスを取ることもあるので要注意だ。連邦税の計算で、この外国税額控除があるので何とか税金が発生しないとよろこんだのもつかの間、州税では税金が発生してびっくりすることがある。おかしいじゃないかと言っても、確かにアメリカと日本の国税では互恵になっているが、東京都(カリフォルニア州など)とアメリカ(日本)が互恵的な扱いをしているわけではない。
アメリカは二重課税を回避するやり方として、所得控除による方法もとる。さらにタックスクレジットとして外国税額控除もありえる。この簡単なことであっても、IRSの職員が知らない事がある。つまり、二者択一だと単純に思っており、外国所得控除を取れば、外国税額控除は自動的に取る事が出来ないと考えて、すぐ否認してくることがある。そんなことはないのだと説明しなければいけなくなる。確かに所得控除と税額控除をフルに取れば、レッドカードで調整計算をしなければいけない。
また、日本とアメリカの申告時期のズレがあり、アメリカで支払った税金を日本の税金に反映する時に日本が一年おくれる事がある。控除はあっても相殺するべき所得がないこと(不動産の売却など)がある。この場合は二重課税の回避が機能しないのでえらいことになってしまう。こうした事態を防ぐには専門家の手を借りなければできないと思う。
日本人にとってはとても大事な外国税額控除だが、奥行きがあり広範囲なので手ごわい領域と思っていただいたほうが良い。
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