大学に入って、初めて英語の授業を受けた日の事を、今でも鮮明に覚えている。田舎の出身であった自分には、英語は日本人の先生から習うものであった。やたらに、英文法とか覚えさせられてたが、英語が話せるようになるとかとはとんでもなく乖離したものだった。それ故に、大学の始めての授業は外国人である先生が教室に入ってきたので、さすがにすごいと期待を持ってしまった。
しかし、その期待もほとんど一瞬にして打ち砕かれてしまった。と言うのは、英語の先生と思っていた人は学生だったのだ。まあいいかと思い、クラスの名簿を見たところで、どこにもそれらしい名前の人物がいない。完全に漢字の日本人の名前である。その人こそK君だった。姿かたちは完全に日本人ではない。その彼が先生にあてられて英語を読んで訳させられた時には、自分は腰を抜かしそうだった。何と自分よりも英語の文章を読めない。当然のこととして日本語に訳すことも相当お粗末だった。
こうなると、姿かたちが日本人ではないので、その落差がものすごい。本人も相当ストレスだったのではないだろうか。彼の場合は自分の親がアメリカ人だった。しかし日本語環境の中で育ってしまった。
さて、アメリカ市民は税金では常にアメリカの税金を意識しなければならない。アメリカの国内に住んでいようが国外に住んでいようが、アメリカの税金からは逃れることはできない。自分がアメリカ市民であるということをしっかり認識している人にとっては、好むと好まざるにかかわらず税金はついて回る。
では、自分がアメリカ市民であるということを、しっかり認識していない場合にはどうなるのだろう。国籍がないというわけにも行かないので、日本とアメリカの国籍を持ち、二重国籍ということになる。二重国籍はアメリカの側からは問題がない。米国法は、出生により二重国籍を取得したアメリカ人や、子供の時に第二の国籍を取得したアメリカ人に対して、成人したらどちらかの国籍を選択しなければならないという特別な決まりを設けていない。
その彼は社会人になって日本の会社に勤めたわけだが、アメリカの税金を払っていたのかどうかは知る由もない。おそらく、アメリカで生まれたり、親がアメリカ市民である人は、現在は相当多いのではないだろうか。そうした人たちはアメリカの税金の処理をどこまで行っているのかと思う。場合によっては、まったくアメリカの税金と言う意識も頭にない人も多いのではないだろうか。それで、問題が発生しなければ良いのかもしれないが、ある日突然、それでは済まないことになるかもしれない。
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