69. アメリカで役務を提供すればアメリカ源泉の給与になる。そうすると、日本から出張してアメリカで働いた場合は皆、アメリカに申告しなければならないが、そうはなっていない。これは日米租税条約での短期滞在者免税があるからだ。これを適用するには条件がある。
短期滞在者免税の条件:
1.ある課税年度において開始または終了するいずれの12か月の期間においても米国に滞在する期間が合計183日を超えないこと。
2.報酬が米国の居住者以外の雇用者またはこれに代わるものから支払われること。
3.報酬がその雇用者の米国内に有する恒久的施設によって負担されるものではないこと。
この条件は、同時にすべて満たすことが必要だ。
ある課税年度において開始または終了するいずれの12か月の期間においても米国に滞在する期間が合計183日を超えないという例を考える。
2010年9月1日から11月30日まで、初めてアメリカに出張して滞在したとする。
この場合は、12か月のカウントが2010年9月を起点として将来に向かって12か月(2011年8月まで)をみる。あるいは2010年11月を終点として、過去12か月(2009年12月まで)を見る。
初めてアメリカに出張したとすれば、2009年12月から2010年11月いっぱいの12か月で、9月から11月の3か月アメリカにいたわけだから、合計183日に満たない。過去12か月に対しては問題にならない。
ところが、2011年になって3月1日から4月30日まで2回目の出張になったとする。この場合は2010年9月を起点で12か月の2011年8月の期間では、2010年の3か月+2011年の2か月=5か月なので合計183日に満たない。短期滞在者免税の対象になる。
さらに、2011年6月1日から7月31日まで3回目の出張になったとする。この場合は2010年の3か月+2011年の4か月=7か月なので合計183日を超えてしまう。この場合は、2010年に関しては短期滞在者免税の対象ではなくなってしまう。
このケースで困ることは、2010年については短期滞在者免税のつもりでアメリカには何ら申告していない。ところが、2011年の日数次第では2010年が短期滞在者免税でなくなってしまう。2011年になってその事実が判明した時には、2010年の申告期限はとっくに終わってしまっている。もちろん、リカバリーをするやり方はあるが、いずれにしても面倒なことになってしまう。
さらに、その報酬がアメリカの会社から支給されると、これは日数以前に短期滞在者免税ではない。また、日本の会社から払ってもらっているつもりであっても、その会社のアメリカ支社だったりすると、これも短期滞在者免税ではなくなる。
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ポイント |
短期滞在者免税の3要件は同時にすべて満たすことが必要だ。 |
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