要は不動産の賃貸事業を行っていると、減価償却費や借入金利息等のために所得がマイナスになる。それが通常の所得を相殺する場合、税金が少なくなるということになる。賃貸事業の損失をストレートに相殺できるならばそう言えよう。
例えば、アメリカの会社に出向している人がアメリカで不動産を購入する。帰国に際しその不動産を賃貸する。こうして日本にいてアメリカの家賃収入(受動的所得)を得る。これはアメリカを源泉とする所得なので、アメリカに申告を行う。ましてグリーンカードやアメリカ市民権を持っている場合は、日本を含む世界中の所得をアメリカに申告する。この時に、アメリカの不動産賃貸事業のマイナスを他の給与所得(能動的所得)と相殺したくなる。
もともと歴史的には単純に相殺することができたのだが、10数年以前に単純に相殺するということはできなくなっている。即ち、受動的所得(passive income)と能動的所得(active income)という概念を持ち出し、所得をどちらのグループか分類する。そして、原則的には受動的所得のものに属するものは、受動的な所得に属する物の中で相殺するようになった。
イメージ的には次のようになる。プロ野球の例えになるが、セリーグとパリーグの交流試合がある。リーグを超えても勝てば白星、負ければ黒星と言うのが所得の種類によらない
相殺のイメージだ。これが、試合の黒星(借金)を減らすには、勝つ相手が同じリーグのチームでなければいけないというもの。リーグを超えて試合をするのは全く自由なのだが、勝ち負けの相殺はできない。
なんだか、面倒なことをやっているようだが、それで税収が少なくなるのを防ごうというわけだ。それはあまりにひどいのではないかというので、ちょっとだけ許してあげようと言うことになる。リーグを超えた勝敗の相殺を一定の数だけ認めている。それで相殺しきれない場合、来年以降の試合で相殺しきれない分を使ってくれと言うしくみだ。
元に戻せば、受動的損失は受動的利益との間で相殺ができる。受動的損失を一定額だけ能動的利益と相殺を認めてくれる。しかし、相殺しきれない受動的損失は来年以降の能動的利益で相殺してくださいと言うものだ。
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