グリーンカードを取得することで、アメリカの全世界所得課税の対象になる。全世界所得課税だから日本の所得もアメリカに申告することになる。この申告義務を毎年適正に果たしていることが当たり前の姿だ。さて、グリーンカードが必要なくなり、それを移民法上の手続きで放棄すると、たちどころに納税義務が消えてなくなるというものではない。
グリーンカードを放棄するためには、2つのボタンを押さなければいけない。
1つ目のボタン:移民法上でグリーンカードの放棄手続きを行う(Form I-407)
2つ目のボタン:税金の義務をきれいにする(Form 8854)
この二つ目の税金の義務をきれいにすることが終わらない限り、移民法での手続きがされても税法上の義務は残ってしまう。
過去における納税義務をきちんと果たしていることは当然のことだ。そして、仮に7月31日にグリーンカード放棄手続きをしたとする。2011年については、1月1日から7月31日までは、アメリカの居住者として、2012年の4月15日までに申告を行うことになる。8月1日から12月31日まではアメリカ非居住者としての申告となり、二重居住者の申告となる。さらにForm 8854を提出する。
グリーンカードを放棄する理由はいろいろあるかも知れないが、税金の処理が面倒ということも理由の一つになっている。そうであるならば、きちんと税金の処理を完了してきれいしておくべきだ。
税金上の処理を完了しない場合、それまでの納税債務はいつまでも残ってしまう。まずそれをきれいにする。その事実を報告する意味でForm 8854をきちんと提出する。
これを行わない限り、Form I-407を提出しても、税務上は居住者のステータスはそのまま変わらずに残っている。税金の申告をしていないことになり、納税額については、ペナルテイや延滞税がどんどん膨らんでいく。
移民法上でグリーンカードの放棄手続きを行い、1つ目のボタンを押す。必ず2つ目のボタンも押して、税法上の義務から解放されるべきだ。それをしないと税金の債務が残り、いつ爆発してもおかしくない爆弾の上に座っているような状況が続く。
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