同情を禁じ得ないのは、望んでもいないのにアメリカ市民になったり、アメリカ居住者になっている人だ。例えば、親がアメリカにいたために、アメリカで生まれた人だ。親がアメリカで仕事をして、日本に帰国する。その子供は2才とか3才で日本に帰ってくる。その後一切アメリカとは縁のない生活をしている。22才を過ぎてもそのままで、日本人として日本で働いている。日本人であり、アメリカの市民権を放棄するという意識すら持ち合わせない。
自分の親の少なくとも片方がアメリカ市民であれば、その人も好むと好まざるにかかわらずアメリカ市民となる。親が仲良く日本で暮らしていればよい。何らかの事情で、アメリカ人の親が亡くなっていたり、アメリカに帰ってしまっていたりという人もいるだろう。アメリカ人の親の顔さえ見たこともないという人もいるはずだ。
こうした人たちが、ある日突然、自分はアメリカに税金の申告をしなければならなくなったらどうだろう。あろうことか、日本の預金口座の残高をアメリカに報告していないので、罰金だと言われたらどうだろう。
それはもう少し何とかならないのかと思う。自分がアメリカの外にいるから、そのように考えている。しかし、アメリカの中で税務行政の執行を行っているのがIRSだ。アメリカ市民に該当する人が、申告要件を満たしている限り、申告をしなくていいですよとは口が裂けても言えないはずだ。
ましてや、アメリカの財政が火の車になっている時に、アメリカ市民の海外での租税回避は決して許されるものではない。海外はスイスの銀行を使う大口の租税回避だけではない。海外の申告漏れ防止はIRSの重点課題項目の一つだ。こうなると杓子定規な扱いしか期待できない。
そもそも、属人主義と言うのがおかしいだろうと言ってもどうにもならない。
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